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「……分かった」
何が分かったのか自分で言ってて意味不明だった。けれどなんかそれでもいいと思った。だって多分本当のことだから。私と別れたら夕は死ぬし、きっと私も死ぬし。
だったら一緒に生きてくしかないじゃない。
「とりあえず週2は休みにしましょうね、あなた……」
「……はい」
「即答して」
「はい」
しばらくは安心させるために自粛してくれると思うけど、きっと夕はそのうち社畜に戻るだろう。私はそれを分かってて結局彼の隣にいることを選んだ。解決も納得もしてないけど。
まあでも、うん。
そうなったら辛抱強く言うだけだ。
不明確な約束でも、曖昧な未来でも、2人を繋ぐ何かがそこにあればいい。
降ったり止んだり。
晴れたり曇ったり。
気まぐれな雨のおかげだろうか、不機嫌に始まった一日は多分不機嫌で終わるんだろうけど。
「なんか晴れてきてんだけど!」
「あら」
「めちゃくちゃ星出てきてんだけど!」
「気まぐれな時雨だなー」
「今更遅いよー!!」
「まあまあ、機嫌直してよ」
少なくとも彼が隣にいたら、多少は気分も上がるというもの。
とりあえず今は、これの繰り返しで生きてけばいいかな、なんて思う。
時雨は気まぐれで彼女は不機嫌 fin.
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