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今日はお前かよ。
「……うわ、昴。なんだよ!そんな鼻くんくんさせながら近づくなって!」
「……」
「え、なに、俺臭う?」
「いやそういう訳じゃなく……」
首を振って遠ざかる俺を、須藤は説明を求めるように見続けるけど、それを無視していればはあ、と溜息をつき。
「……で、話変わるけどさ、俺とうとう高嶺ちゃんとヤッちゃった!!」
心底嬉しそうににやつきながら声を発する須藤に、まじか!やべえ!!と典型的な雄叫びを上げながら、男達が群がる。
「いくら!いくら貢いだんだよ!!」
「3万」
「3万!?やべーって!お前やったなあ!!」
「その価値はあった……悔いはない……」
「くそー!俺んちも金持ちだったらなあ!」
ドヤ顔の須藤を羨ましげに見ながら、恐らくこいつらの頭の中で高嶺は間違いなくあられもない姿をしてるんだろうな。引き込まれないように、距離を取ろうとした時思い出したことがあった。
「須藤」
「なんだよ、昴」
「だからって録音はよくない」
「はあ?録音?なんの話し?」
「あれ」
噛み合わない会話に首を傾げつつ、今朝の高嶺との話を思い出す。
……ああ、昨日の男じゃなかったな、確か一昨日の男。
……ま、誰でもいいけど。
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