すうがくなあさ

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なんでそんな色んな男と、そういうことすんの、と失礼にも取られる疑問を素直にぶつけたら、高嶺は目をぱちぱちさせた。 「一人の男じゃだめなの?」 「えー、うーん、その答えは難しいなあ」 「難しいの?」 「理解してもらえるとは思えないし」 「理解できない話を、無理矢理読み解くのは得意だから案外いけるかもよ」 例えば、と古典の教科書のページ数を指させば、ああと納得したみたいに高嶺が頷く。 「源氏物語ね。確かに理解できないや」 「これ以上に理解できない答え?」 「そんなことないよ。ただ私は欲に従順なだけ」 「へえ」 「せっかく若くて可愛くて、今が1番男の人にチヤホヤされる時なのに、1人に決めるのがもったいないなあって思うの」 「……」 「気持ちいいことなんだし、色んな人と経験しても悪いことじゃないかなって」 「……」 「どう?理解できた?」 「うん、ビッチの考えだと思った」 「ほら〜〜、でも童貞の言うことなんて聞く耳持ってないもんー」 「童貞を蔑むな」
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