Playing with snow

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Playing with snow

「……元気ねーじゃん」 ザクザク。 振り積もったばかりの、足跡も汚れもない真新しい雪の上に自分の靴を下ろしていく、この罪悪感と高揚感は冬の特権である。 2人で歩き出してから黙ったままの私の後ろを、気だるげに歩く彼。 放った声はしんとした夜に解けていく。 ぶっきらぼうな言い方の癖に、私を心配するその声色に泣きそうになる。 私はとてもくだらないことで落ち込んでいたのだ。 彼に打ち明けるのもはばかれるほど些細なことで、けれど胸に刺さったまま抜けない。 自分じゃ考えても埒が明かなくて、解決策が出なかったから仕方なく声に出した。 「……ほんとにどうして」 「……は?」 「こんな私と一緒にいてくれるんだろうね」 モテるし、私より可愛い子なんてたくさんいるし。 俯いて出した言葉は思ったよりも情けなく、そして汚く思えて、目前にある真っ白で綺麗な雪を汚してしまうんじゃないかってくらい。 恐ろしい感情だ。 嫉妬とは、劣等感とは、こんなに簡単に人を陥れるなんて。 やっぱなんでもない、とあえて彼の顔を見ず前に向かって声を出した。 そしてそのまま歩きだそうとして、背中に軽い衝動が走って結局動きを止めた。
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