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ふわりと優しく頬に触れる大きくて暖かい手、泣いてもないのにゆっくり目元を撫でてくれて。
だからそれが泣かせに来てるんじゃん。
不細工、なんて酷いこと言われてるのに全然そんな風に聞こえない、あなたのそういう所が狡くて、
「……分かんねえけど、好きなんだから。
理由なんて聞くんじゃねえよ」
───愛おしいから。
きっと私は離せない、この人を。
「……だから不良ってきらい、本能のまま生きてるから」
「だから優秀な奴ってきらい、頭かってーんだから」
「……馬鹿」
「あほ」
「…………好き」
「………、知ってる」
ぎゅっと抱き締めた。
同じように背中回った腕が、まるで一生離さないかのように強く締めつけて。
このまま降り積もる雪が溶けるまで、いや溶け落ちてもこのままでいたいと、彼の胸に擦り寄りながら目をつぶった。
Playing with snow fin.
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