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「おい少年これは本物か?」
「本物?」
カノンはわけが分からず聞き返した。
「済まない言葉足らずだったな。これは本当にガノンから貰ったものか?」
「「「?!」」」
ガノンという言葉を聞いてカウンターに座っていた三人が一斉に振り返った。
「はい。それは確かにガノンさんが別れ際に書いてくれ物ですけどどうかしたんですか?」
「どうもこうも・・・その様子だとガノンから何も聞いていないのか?」
「えっと・・・何をでしょうか?」
(この様子だと偽物を渡してこちらを騙そうとしている感じではないな。それにこの筆跡は間違いなくガノンのものだし。)
事態を飲み込めないカノンはオロオロし始める。
(まあこんな子供がこんなギルドに来る理由もないだろうし大丈夫だろ。)
「まあ立ち話もなんだそこに座りたまえ。飲み物でも出そう。」
「あ、ありがとうございます。」
カノンはお礼を言うとカウンターから少し離れたテーブル席に座った。それを確認すると少女は飲み物を取りにカウンターに入っていく。
(マスター。)
(なんだござるんご?)
不意の二つ名呼びに他の二人は飲み物を吹き出した。
(その呼び方はやめるでござる!それよりガノン殿の手紙というのは?)
(ああ残念ながら本物だよ。ったくあのじいさんいきなり消えたと思ったらこんな形で関わってくるなんて予想外だよ。)
コソコソと話しながらもマスターは手際よく飲み物と茶菓子を用意する。
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