少年は希望を抱き門をくぐる

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ガタン ガタン、ガタン ゴトン、ガタン、ガタン まだ整備の完全に行き届いていない道を通る荷馬車。 馬型の魔物ホース二頭が引っ張る荷台には王都で販売するための様々な野菜や果物、そして果実酒などが積み込まれている。 ホースを操る初老の男性は目前に王都の門が確認できたところで声を上げる。 「オォォイ坊主!王都が見えたぞぉ。」 実はこの荷馬車には王都での販売物以外に意外なモノを運んでいた。 そのモノは敷き詰められた乾燥藁に横になり荷台の揺れに身を任せながら仮眠を取っていた。 反応がないことに気づいた男はもう一度今度は周囲に響かんが如く大声で呼びかけた。 「おおおおおおおおおおおおいい!!!着いたって言っとろうがァ!」 「ふぇっ!?」 その声が届いたのか藁の上で飛び跳ねる少年。 口元にヨダレの後がある事から仮眠ではなく爆睡していたようだ。 「もう着いたんですか?」 「ああ。あれが王都の門だ!」 「ふわぁぁぁぁ!!!」 眼前に広がる立派な門に目を輝かせる少年。 「ガノンさんありがとうございました!」 初老の男性ガノンは煙管を吹かしながら豪快に笑う。 「良いってことよ!それにワシもカノンのお陰で安全に運べたからな。」 カノンとはこの少年の名前だ。 ガノンとカノンは別に家族でもなんでもない。実はほんの一週間前に出会った他人同士だった。
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