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「拙者にはリンという名があるでござるよ!ござるんごはそこのおバカマスターの戯言だと思ってくだされ!」
「おい誰がおバカマスターだ?」
「すいませんでしたマスター様。」
マスターをバカにして一触即発こと思われたが懐から出した一枚の紙をちらっと見せるとリンは大人しくなった。
カノンは気になり紙を見ると何やら読めない文字と多数の数字が書かれていた。
「リンさんあれは?」
「な、なんでもないでござるんご!」
口調まで変わる程の衝撃。この紙がマスターへの迷惑料、ツケの累計、その他諸々の借金の帳簿だと知るのはまだ先の話である。
「ほら遊んでないでカノンの登録を済ませるぞ。」
「はいでござる!」
カノンに名前や年齢、出身地を聞きながらリンは登録用紙に書き込んでいく。
「カノン殿。お主の魔力量と得意魔法はなんでござるか?」
「魔力量ですか?今まで測ったことがないので分からないですね・・・得意魔法と言われても攻撃魔法とか使ったことないです。」
そう言うとマスターは立ち上がり奥から一枚の紙と少し大きい水晶玉を持ってきた。
「それはなんですか?」
「こいつは魔力水晶と魔紙と呼ばれるものだ。」
そう言うとカノンの前に水晶と紙を優しく置く。
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