王都ディルニール

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「ったく見せてみろ。」 マスターは魔紙を受け取り全体をよく観察する。どこかに焦げや湿りがあればその属性だと判断できるからだ。 ごく稀に反応が薄い時がありその場合よく見ないと見つけれないと他のギルドのマスターに言われていたのを思い出したのだ。 「・・・ないな。」 「ないでござる。」 マスターとリンは紙の隅々まで調べたが全くといっていいほど変わったところがなかった。 マスターは魔紙を持ったまま奥に座っていた2人に見せる。 「こいつを見てくれ。」 「凄く・・・新品だな。」 「本当に魔力を流したと?」 ギルドにいる全員で確認した結果カノンの魔紙による判定は無だった。 「えっと・・・その場合はどうなるんですか?」 「はっきり言って難しいな。魔力量が数値として出たことを考えれば魔盲ではないからそこの所は心配しなくていい。ただ属性魔法が使えないとなると討伐系の任務を受けるのがかなり厳しくなる。というより採取系の依頼にも魔物は当然出るから依頼を受けるということ自体が厳しくなるかもしれないな。」 「そ、そんな・・・」 絶望に打ちのめされるカノン。 「まぁそれはソロに限った場合だ。」 「へ?」 ここでマスターの会話の意図を理解したリンが話を続ける。
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