王都ディルニール

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「冒険者が依頼を受ける時はソロかパーティーかを選べるでござるよ。パーティーならそれぞれの役割があるでござるから魔法が使えなくても依頼を受けることは出来るでござる。」 「そうなんですね!」 「そうやけどちゃんと役割を果たせんといけんから自分のアピールポイントは持っとくとええよ。」 「逆にそれがなかったらただの約立たずですって周りに宣言するのと同じだから誰もパーティーを組んでくれなくなるけどな。」 奥の二人が言うのも確かな話で実際それが原因で冒険者を辞めた人間も少なからずいたのだ。 「とりあえず現時点のカノン殿のアピールポイントを探すでござるよ。」 「ちょっと待て。」 いざ始めようとした時マスターが止めに入った。 「なんでござるか?」 「お前たちはひとつ大きな勘違いをしているぞ。」 「勘違いですか?」 「ああ。カノンに特段すごいアピールポイントがあったとしても依頼を受けることが出来ない。というよりパーティーが組めないんだよ。」 「ええ!?」 「なんででござるか?」 「ひどいと思うぞマスター?せっかく未来ある若者がやる気を出していたのに。」 「そうたい!そうたい!」 マスターの発言に講義の声を上げる三人。この姿にカノンは少しうるっときたのだ。 (会って間もないのに僕のために・・・) そんなことを知ってか知らずかマスターは大きくため息を吐いた。
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