王都ディルニール

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マスターはポケットの中から何故か入っていた豆菓子を三つ取り出すと親指と人差し指の間に挟む。 「カノンが依頼を受けれないのはこのギルドにいるメンバーが!」 ビッシュ 「痛いでござる!」 「働きもしない!」 ビッシュ 「あう!」 「グータラ三人衆しかいないからだ!」 ビッシュ 「痛てぇな!」 一言言う度にデコピンの要領で弾かれた豆菓子は見事全弾三人のおでこに命中した。 当たったところが真っ赤になっていることからなかなかの威力のようだ。 「グゥの音も出んとはこのことやね。」 「なんでマスターは確信しかつかないのか?」 「こんのエセ方言と老け顔が!そこは少しでも否定しろ!そして改心しろ!」 「・・・。」 「ん、どうしたござるんご?腹でも減ったか?」 「マスター。拙者は子供ではないでござるよ。」 「そう言えば今日は大人しいなリン。いつもなら俺たちの会話に入ってくるのに。」 「そうたいね。こんな大人しいリンは初めてやと。」 「お主ら拙者をなんだと思ってるのだ。」 抗議の意味を含めジト目で二人はを見つめるが効果なし。諦めたリンはマスターに声をかける。 「マスター。カノン殿の登録を早く済ませるでござるよ。」 「あ?だから登録してもパーティーが組めないんじゃ意味ないだろ。それなら他のギルドに・・・」 「拙者がパーティーメンバーとして依頼に同行するでござるよ。」 「入ったほうが・・・って今なんて言った?」 リンの言葉に信じられないようなものを見た目をするマスター。 「リンどうしたと?エイプリルフールならもう終わっとうよ?」 「あれかこれが噂のドッキリってやつだな?」 リンの言葉を信じられない二人。
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