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「わかったよ。リンが面倒を見てやるならカノンの手続きをしておこう。」
「ありがとうございます!リンさんよろしくお願いします!」
「よろしくでござるよ。」
ほのぼのとする二人。それを見る三人にはそれぞれ思うことがあるのだろう。
マスターは手元にある書類の空欄を埋めていき書類を完成させギルドカードの作成に入る。
「うちは任務でも受けるとするたい。」
「お前酒飲んでただろ?危ないぞ。」
「ふふふ。侮らんでほしいとようちが飲んでたのはオレンジジュースやけん問題ないと。」
「どういう風の吹き回しだ?」
「なんかあの子見てたら依頼を受けたくなったんよ。あんたはどうすんの?」
「俺は・・・今日は帰るわ。流石にアルコールが入った身体で働きたくないからな。」
男はそう言うと手を振りながらギルドから出ていった。
「リンさんあの人。」
「カノン殿は気づいてたでござるか?」
「はい。隣通った時匂いもしてなかったし足取りもちゃんとしてました。」
「嘘が下手くそたい。酒なんて呑めないくせに。」
男が飲んでいたのもただのジュースだった。ただ依頼を受けるのが怖かったのだ。その呪縛から解かれるのがいつになるかは誰にも分からない。
「ほなうちは行くけんまたねカノン君。」
「はい。お気をつけて!」
「無理しない程度にやるでござるよ?」
「はいはーい。」
ほんわかとした雰囲気を出しながらも彼女は依頼をこなしにギルドを出ていった。
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