少年は希望を抱き門をくぐる

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きっかけは道端で倒れていたカノンを発見して助けた事だった。 名前を聞いて一文字違いということで妙に親近感が湧いたガノンがその日の食事と寝床を用意した。 少年カノンは冒険者になるために王都に向かう道中だった。 老人ガノンは村で取れた収穫物を王都に販売しに行く途中だった。 「ここであったのも何かの縁じゃ。ワシと一緒に行くかカノン?」 「本当ですか!?ありがとうございます!」 不思議な縁から始まった二人旅。実は王都までは馬車を使っても一週間。子供の足で歩くと一本道とはいえ半月はかかるのだ。 道中には魔物もいるし治安が良いとはいえ盗賊が出るかもしれない。 そんな道のりを自分の孫と同じくらいの歳の子を放り出す事など出来るはずがなかった。 「でも僕お金持ってないです・・・」 「子供がそんな心配するんじゃねえよ!ワシの話し相手になってくれればそれでいい。一週間も一人だと気が滅入るから助かるわい!」 身体も大きければ器も大きいガノンだった。 そんな二人旅が始まった二日目早速問題が発生した。 「ウルフか。今回は早いエンカウントじゃな。」 馬車を止めると目の前に群がる5頭のウルフを見据える。 「が、ガノンさんどうするんですか!?魔物ですよ!?」 焦るカノンとは裏腹にニヤリと笑うガノン。 「もちろん今日の晩飯にするんじゃ!」 そう言うと老人とは思えない身のこなしでウルフに駆け寄る。
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