王都ディルニール

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「ほらカードが出来たぞ。」 マスターは出来上がったカードをカノンに手渡した。 「お、おおー!」 自分のギルドカードを手に入れたことで冒険者になれたことを実感するカノン。 その姿を見たリンとマスターは自分にもこんな時があったなとしみじみと懐かしがる。 「これってすぐに依頼を受けれますか?」 「受けれるが今日は受けれないぞ。」 マスターの言葉にカノンの脳内ははてなマークで埋め尽くされる。 「言い方が悪いでござるよマスター。」 「ん?あーわるいわるい。カードさせあれば依頼はいつでも受けれるんだ。だけど今このギルドに依頼がなくてな明日にはいくつか依頼が来る予定だから今日はやる事なしということだ。」 それを聞いてカノンは崩れ去る。 「か、カノン殿どうしたでござるか?」 「どうしましょうリンさん。僕今日から依頼を受けれると思ってたから・・・」 「なにか不都合でもあるでござるか?明日から受けれるでござるよ?」 ここでカノンの口から話される事実に二人は愕然とした。 「僕今無一文なんです。だから依頼を受けて今日の宿代と食事代を稼ごうと。」 「いやいやお前ガノンのじいさんに乗せてもらってここまで来たんだろ?」 「はい。予定では明日に着くはずだったから助かりました。」 「なら今日の夜はどうするつもりだったんだ?」 マスターの疑問はもっともだ。一日野宿する予定なら何かしらの準備があるはずだ。道中にある宿に泊まるにもお金がいるはず。 「野宿なら宿はいらないし水辺があれば魚も取れますし飲水にも困りませんから一日くらいどうとでもなりますよ?」 見た目は完全な子供なのに発想がワイルドすぎて二人は言葉が出なかった。
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