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「しかし受注出来る依頼が無いことにはどうすることも出来んぞ?」
「どうしよう・・・」
困り果てている二人にリンが意外な言葉をなげかけた。
「ならうちに来るでござるか?」
「「え?」」
ハモる二人の疑問。
「カノン殿の疑問はわかるでござるがマスターはなぜ疑問に思うでござるか?」
「だってお前が人を家に招いたことなんて一度もなかったから。一体どういう風の吹き回しだ?」
「酷いでござるなぁ。困ってる時はお互い様でござるよ。」
その答えを聞いてもマスターはどこか釈然としていなかった。
「本当に良いんですか?リンさんのお家にお泊まりしても。」
「モチのロンでござるよ。その代わりと言ってはなんでござるが少し手伝って欲しいことがあるでござるよ。」
「僕でよければお手伝いしますよ。」
カノンが即答で返事をするとリンが笑いながら言う。
「カノン殿は少し人を信じすぎるところがあるでござるな。王都には人を騙すような悪い人間もいるでござるから気をつけるでござるよ?」
どういう意味なのか分からなかったカノンはキョトンとしている。
「ははは、この辺のことはまたおいおい教えていくでござるか。」
そう言うとリンは立ち上がる。
「では行くでござるよカノン殿。マスター明日は朝イチに来るでござるから依頼の用意よろしくでござる。」
「分かった気をつけて帰れよ。」
「マスターさよなら。」
二人はギルドを後にした。
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