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「ここですか?」
「そうでござるよ。」
リンに連れられやってきたのは一軒の鍛冶屋。
「ここはドワーフのオッサ・・・おじさまが営んでるでござるよ。」
今の一言でここの主人と仲がいいんだろうなと勘づいたカノン。
看板はあるが古くて文字は読めない。それどころか建物自体もかなり古く営業しているのかさえ一目ではわからないほどだった。
「入るでござるよ。」
リンは扉に手をかけると勢いよく押し開けた。
そう扉が外れるほどの勢いで。
「邪魔するでござるー!」
「邪魔すんなら直ぐに帰りやがれ!」
乱暴なドアの開け方に依頼主への言葉とは思えないワードを口にするリンにカノンは呆然としたがそれ以上に店内から響き渡る男の声に驚いた。
(反応はや!?)
「ってなんだお前か。」
「依頼を受けたものに対してそれはないでござるよ。」
依頼人に対しての言動でもないのでは?と心の中で思うことがあるカノンだが口には出さなかった。
「依頼?」
「そうでござるよ。ほらこれ見るでござる。」
そう言うとリンは持っていた依頼書をドワーフにみせた。
「んー。見覚えがないな・・・っておめえこれ2年も前のやつじゃねえか!」
「なん・・・だとでござる。」
確かに依頼書をよく見ると受理された日はむかしむかしの2年も前の話であった。
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