少年は希望を抱き門をくぐる

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腰に差してある剣を抜くとすれ違いざまに三頭を切り伏せた。 「ギャウ!」 あまりの速さにウルフの反応は遅れ三頭は絶命した。 残りの二頭も異変に気づき臨戦態勢に入るが時すでに遅し。 ガノンが腰布から投げナイフを二本取り出すと間髪入れずに投げる。 投げられたナイフは寸分違わずウルフの眉間に刺さった。 「ギャ!」 ウルフは眉間に急所がある。ガノンはそこを狙ったのだ。 「久々に動いたら疲れるわい。」 「ガノンさん凄いです!」 「元冒険者じゃからの。ウルフ程度に遅れは取らん。」 そう言うとガノンはウルフを全て担ぎ馬車に戻る。 ウルフは一頭当たり10キロ程ある。それを一気に五頭担ぐあたり普通の冒険者では無いだろうとカノンは思った。 「なんでウルフを持ってきたんですか?」 「今日の飯にすると言ったろ?」 それなら一頭で良くないかと思ったカノンだがガノンの説明を受けて納得する。 「ウルフの素材は王都で売れるからの。基本的に魔物は素材として買い取ってくれる。冒険者として生きていくなら覚えておけよ。」 「わかりました!」 ガノンはウルフを道の外れに置くとホースをそこまで誘導する。丁度大きな木があり日陰になっているので休憩するにはうってつけの場所だった。
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