田舎から出てきた少年は幸運だけで冒険者生活を楽しむようです。

少年は希望を抱き門をくぐる

「ここで解体してそのまま出発するぞ。」

「はい。でもどうしてすぐに解体するんですか？」

解体するとかさばらなくて済むが肉は痛みやすくなる。本来なら捌いたあとすぐ食べるのが細菌なども少なく衛生的にも良いのだ。

「一般的に鮮度を高めるにはすぐに解体しない方がいい。」

「ですよね。」

そう言うとガノンはため息を吐く。

「坊主もそう思うか？」

「違うんですか？」

「魔物を狩ったらまずしなければいけない事がある。それが血抜きだ。これをしないと鮮度は落ち腐る原因になるからな。」

死んだ魔物は直ぐに血を抜かないと鮮度が落ちる原因になるとはよく言われている。カノンも聞いたことがあった。

「血を抜くということはその場所に臭いが出る。それを辿ってまた魔物が来る危険性があるんだ。それなら一層解体してしまい肉の一部をその場所に置いておけば移動するワシらに魔物が寄りにくくなるというわけだ。」

捌いた肉を求めて他の魔物が来るのは危険だ。ガノンには捌いた後の肉ならある方法を使って隠蔽できる策があった。しかしウルフそのままの姿だと大きすぎて出来なかった。