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その方法はまた別の機会で紹介するとしてカノンはこのウルフを使ってなにか役に立てないかと考えた。
そこで昔教わった魔物避けを作成することにした。
作り方は簡単今抜いたウルフの血を鍋で沸騰させてルシフ草と呼ばれる赤茶色の葉っぱを鍋に入れて煮込む。
そうするとルシフ草にウルフの血が染み込むので鍋から取りだし次は火であぶる。
その燃えカスを袋に入れれば完成だ。人間には特に感じられないが特殊な匂いが発せられており鼻が利く魔物が多い王都までの道のりなら抜群の効果を誇る魔物避けになるのだ。
「おめえ子供なのにそんなもんよく知ってるな。」
「前に村の村長に教わったんです。村の作物がよく魔物被害あってたんで。」
「なるほどのぅ。」
ガノンはカノンの作業する手の速さにも感心しながら解体したウルフを荷台に詰め込んでいく。
「ガノンさんこれを馬車の前後に括りつけてください。」
「ありがとよ・・・でもこれ魔物避けならうちのホースにも効いちまうんじゃねえか?」
ガノンの疑問はもっともだった。本来魔物避けは魔物全般に効力を発揮する。
荷台を引っ張るホースもれっきとした魔物だ。
「それなら大丈夫です。ウルフの血を吸わせたルシフ草の効果で吸わせた血と同じ系統の魔物にだけ効力があります。」
ルシフ草はよく生息が確認されている有名な植物だがその実態は謎が多い。
なぜその系統の魔物にしか効かないのかも解明されていない謎の一つだった。
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