跡取り息子はいまどこに

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 今回の案件は「さがし人」であった。二人してあちこち聞き込みをし、情報を集めてきた。それをホワイトボードに書き込んでいったのだが……。 「普通、ここまで情報が集まってくれば、もう見つけたも同然なんだがな……」  イスに座り、腕組みをしてホワイトボードを見上げているのは先野である。さがし人の知人・関係者を訪ねて回って、ようやっとどこに住んでいるかを突き止めた。あとはそこへ出かけて行って、間違いなく本人がいるのを確認すればよい、というところまできていた。ミッション完遂まであと少しだった。ところが先野は難しい顔をしていた。  ホワイトボードにはたしかに情報があふれていた。あふれすぎていた。 「そうですねぇ……」  三条も先野同様に、捜索の経緯を見て感じるところがあった。
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