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高みに連れて行かれた。
「ばっ……離せ瑞希、汚れるッ!」
言いながら瑞希の身体を強引に引き離した時にはもう……手遅れの状態になっていた。
急激な吐精感。
それは気持ちいいというより痛みに近く、全力疾走した後の激しい疲労に似ている。
全身、重だるい虚脱感に襲われ、腕すら上がらない。
ここが風呂場じゃなかったら、きっと倒れ込んでいた。
ドクドクと激しく打つ脈も、荒い息遣いも。
この場の全てが非現実的で―――
なのに目の前の光景だけが、異様にリアルに視界に焼きついていた。
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