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それから数日後の夜の事 「咲・・・僕は・・・」 今日の暁久様はいつもと違っていた。 纏う空気が酷く重いのだ。 「お兄様どうかなさったの?」 「戦に行くことになった」 「戦に・・・お姉様はこの事」 「さっき伝えた」 「そうですか。ご婚儀前なのに・・・ご武運をお祈りしておりますお兄様」 「咲聞いても良いか?」 「何でしょう?」 「咲は僕の事どう想っている?」 お慕いしています暁久様。 でも伝えては駄目なのよ。 「大好きですわお兄様」 「っ!それは兄としてだろう?僕は咲の事を愛している。牡丹の事は好きだが愛してはいない」 愛してるって暁久様が私を? 真に・・・? 「そんな!それじゃあお姉様はどうなるの?」 「牡丹との婚儀は破談となった。牡丹とちゃんと話しして来たよ。了承してくれた」 お姉様・・・私のせいでごめんなさい・・・。 きっと恨まれているわね。私さえいなければお姉様は暁久様と夫婦になりお幸せになれたと言うのに・・・。 「咲・・・返事を聞かせてくれないか?真の気持ちを聞かせてくれ」 「私はお兄様を・・・いえ暁久様あなたをお慕いしています。でもお姉様を傷つけてまで暁久様と一緒にいるなんて無理です私には」 「咲いいのよ。暁久様と幸せになりなさい。私も幸せを必ず見つけてみせるから。私の事は心配しない事!分かった咲?」 「お姉様!!!私・・・暁久様と幸せになっていいの?」 「ふふっ幸せになりなさいって、さっきから言っているでしょう。ほら泣いてないで笑いなさい咲」 「お、お姉様~」 私はお姉様に抱きつき、めいっぱい泣いた。 「落ち着いたようね」 「はい。お姉様」 「暁久様妹を、咲をよろしくお願いします。幸せにすると私に誓ってもらえますか?」 「ああ。必ず幸せにすると誓おう。僕の命にかけて咲を守るよ」 「ありがとうございます。そのお言葉お忘れなきよう」 「ああ牡丹ありがとう」 「じゃあ私は部屋に戻りますわ。咲とちゃんとお話して下さいね暁久様」 「ああ分かった」 「暁久様?」 「僕は明日戦に行く。その前に咲に伝える事がある」 「はい。何でしょう」 「戦から帰って来たら夫婦になろう。咲」 「はい。暁久様必ず無事に帰って来て下さいね咲のもとに・・・」 「ああ。必ず咲のもとに帰るから、それまで待っていてくれ」 そして暁久様は戦の地へ向かった。 私達姉妹は我が家へ帰った。 それから3ヶ月後、私は暁久様のお帰りを祈るようにずっと待っていた。 お姉様は一ヶ月前にあるお武家様の所にお嫁に行きました。 お姉様からの文によるとお相手の方はお優しくてとても愛されて幸せにお過ごしていると。 お姉様お相手の方が良い方でよかった。愛されてお幸せそうで思わず私の頬が緩んだ。 「咲落ち着いて聞いてくれ」 「父上どうなさったの?」 「暁久様が戦死なされたと早馬で知らせがあった」 戦死?暁久様が死んだ? 私をおいて・・・? 「父上・・・真なのですか?」 「ああ。前野家直々の知らせだったからな」 「嫌・・・嫌です!!暁久様私を一人おいて行かないで!!」 そしてショックが大きかったのか私は意識を失った。
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