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6
悪い夢であってほしかった。
でも紛れもない現実だ。
暁久様のいない世界は私には辛かった。
「咲・・・少しは食べて」
「お姉様ご心配おかけしてごめんなさい。でも食欲がなくて」
お姉様は私を心配して嫁ぎ先からお見舞いに来てくれた。
お姉様が来てくれて3週間が経っていた。
「お姉様私は大丈夫だからお帰りになって下さい。雅明様に申し訳ないです。あとお姉様と父上は心配しすぎですわ」
雅明様とはお姉様の旦那様
「そんな事ないわよ。あなたが大事だからこそ心配するのよ咲。確かに雅明様はご心配されてそうね。咲、真に大丈夫なの?」
「ええ。大丈夫ですわお姉様」
「そう。なら私は帰るわね。また今度
は元気な姿見せてね咲」
「ええお姉様。元通りに元気になりますわ私」
最近体の調子が悪く寝込む日々な私だけどお姉様にこれ以上ご心配おかけする訳にはいかないから私は優しい嘘をついた。
そしてお姉様はお帰りになった。
それから一年が経った。
私はあれからさらに体調が悪くなり布団から出られない状態になった。
どうやら体力が落ちていたせいか、流行病にかかったらしい。
人から人へ伝染る病だから私は出来るだけ部屋に入らないでと皆に伝えた。
お姉様から文が届いた。
どうやらお姉様はお子を授かられたとの事。
お姉様お幸せそうでよかった。
どうか私の分まで幸せになって下さいね。
お姉様に文を書かなきゃね。
正直今の私は文を書くのも大変な重労働だったが頑張って書く事ができた。
そしてお祝いの品と文をお姉様に送った。
気に入ってもらえるかしら?
お姉様に文を書くのもあと何回かしら?
私は確実にもうすぐ死ぬでしょう。
自分の体の事は自分がよくわかっていた。
苦しい・・・助けて・・・早く私を暁久様の元へ行かせて下さい。
「咲・・・」
暁久様の声が聞こえる。
そして目を開けたら目の前に暁久様がいた。
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