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結局誰も生き物係には入らなくて、わたしたちは4人でこの1年の生き物係をすることになった。
決まった係ごとに分かれて、係ごとの分担を決める。
わたしと結城君の席が近いから、私たちの席に木村さんと田中君がやって来る。
わたしは机を動かす前になるべく冷静に落ち着いて結城君に話しかける。
「ゆ、結城君、これから1年宜しくね。席、どこにつくろうか?」
結城君は少し笑ってくれた。
「あぁ、宜しく。席はこの辺でよくねぇか?」
と自分の席と前の席、わたしとは反対の二つを指さした。
私が席を動かし始めると結城君もわたしの隣に来て席を動かし始めた。
きゃーーー!!
今までで一番近くにいる!
肩がぶつかりそう。
わたしの心臓は飛び出しそう。
結城君は席を移動させると自分の席に座る。
「お前もそこに座れば?」
結城君から話しかけられた!
わたしは踊り狂ってる心を沈めながら頷いて結城君の前の席に座る。
顔をあげたらそこには結城君の顔がある!
この席の配置なら当たり前なんだけど、私には当たり前じゃない!
これは奇跡よ!
神様ありがとう!
他の二人が来るまでの間だけでも結城君の顔を見ときたい。
わたしが思わずジッと結城君を見ると、、、
結城君もわたしを見てくれた。
目があったのが嬉しくて恥ずかしくて、勝手に顔が熱くなる。
そんなわたしたちのところに木村さんと田中君がやってきた。
「前田さんどうしたの?顔真っ赤だよ?大丈夫?」
木村さんが不思議な顔をしてわたしの隣に座る。
「あ、大丈夫だよ。な、なんでもない」
田中君は訳知り顔でニヤニヤしながら結城君の隣に座った。
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