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「前田って分かりやすいな」
笑いを含んだ声で田中君が結城君に話しかける。
えっ!!
わたしって分かりやすいの?
わたしが結城君のこと好きって気づかれてる?
わたしはすっごく焦って、何かいい言い訳はないか考えたけど、何も思いつかない。
結城君は顔色も変えず「そうか?」と返事を返しただけだった。
これはいいのか、
悪いのか、
わたしは結城君の中でどうでもいい存在?
いや、友達にもなってないのに、どうでもいい存在かどうか考えるなんて、わたしって恥ずかしい。
一人で百面相してたら木村さんが私の肩を叩いた。
「前田さん、話し合いしよ」
木村さんはメガネ女子。
顔の両脇に三つ編みが揺れる。
あまり知らないけど、いつも新聞係とか保健係とかしてるイメージだ。
今回なんで生き物係なんだろ?
木村さんが話し合いを進め始めた。
仕切り屋っていうわけじゃないけど、この4人の中では1番しっかりしてるのかも。
結城君も田中君も文句を言わず木村さんの進める話し合いに参加してる。
木村さん、すごいなぁ!
わたしはキラキラした目で木村さんを見た。
こんなにテキパキした女の子に憧れる。
ななちゃんもそうだけど、私の周りの女子は面倒見がいい気がする。
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