始業式

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始業式

今日から6年生。 わたしは朝からドキドキしてる。 なんたってクラス()えがあるんだから! いつもより少し早起(はやお)きして、(かがみ)(まえ)入念(にゅうねん)髪型(かみがた)のチェック。 私の(かみ)はまっすぐで()(くろ)寝癖(ねぐせ)ができると(かみ)をしっかり()らさないともとに(もど)らない。 良かった。 寝癖(ねぐせ)がついてなくて。 わたしはブラシでなんども(かみ)をといた。 朝ごはんのおにぎりを食べながら考える。 彼と同じクラスになれるかな? (じつ)は4年生から彼、初恋の結城(ゆうき)紘斗(ひろと)(くん)とは(おな)じクラスで5年生も同じクラスだった。 4年生の始業式(しぎょうしき)の日。 あの日は本当に(うれ)しかった。 (じつ)はわたし、彼の名前を()らなくて、始業式(しぎょうしき)の日幼馴染(おさななじみ)睦月(むつき)に彼の名前を聞く予定(よてい)だった。 けど、そんな必要(ひつよう)なかった! だって同じクラスで、名前はすぐに分かったから。 4年生のクラス替えで新しい教室に入り、彼の姿を見たとき、わたしは心の中で神様(かみさま)感謝(かんしゃ)した。 この2年間、結城(ゆうき)君と同じクラスで本当に(しあわ)せだったなぁ。 小学校最後(さいご)の1年。 6年生も同じクラスになれますように。 (こころ)の中で神様(かみさま)(いの)る。 わたしは白いランドセルを背負(せお)って元気(げんき)よく「いってきます」と玄関(げんかん)(とびら)をあけた。
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