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6年生の教室の前に張り出されたクラス替えの大きな紙。
わたしたちは登校した順に確認する。
わたしは2組。
そして、結城君は、、、
緊張する。
結城君の名前を2組の名前の中から見つけ出す。
心の中で飛び跳ねて喜んだ。
神様ありがとう!
親友のななちゃんがこっちに向かって歩いてきた。
「見た、わたしたち同じクラスだよ!」
私は慌てて、首を縦に振る。
「うんうん、見た見た」
ななちゃんが、ちょっと怖い顔をした。
「美羽は、誰かさんと同じクラスになれるかどうの方が重要だもんね。でもでも、私の事もちょっとは気にしてよね」
わたしは慌てて、言い訳する。
「ごめん、ごめん、まずはね、彼がどこのクラスか確認して、それからななちゃんの名前探す予定だったの。わたしがななちゃんの名前探すより先にななちゃんがこっちにきただけだよ」
焦ると手が動く。
ななちゃんはわたしの手を見た。
そして、わたしの右手を取って今度は笑った。
「うん、わかったよ。美羽が必死で私に話してくれてるから許す」
わたしはホッとしてその手を握り返して、2組の教室に入った。
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