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尻を身代わり地蔵みたいにさすってくる。
いい加減、僕の堪忍袋の緒も断たれるぞ!
「このクソ野郎! ぶっ殺してやる!」
僕はポケットの中にあったナイフを、痴漢野郎の喉仏目指して突きだした。
男は避けたけれど、刃の先端が首元を掠めたらしく、両手で首を守るように座りこんだ。
まるで誰かに奪われるのを恐れているように、男は必死に流血を抑えている。
いいザマだ! この変態犯罪者!
僕はというと、妄想の中でだけ抵抗できたことに対し、ある種の達成感を感じていた。
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