くたばれ、妄想少年少女

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　最寄り駅のコンコースでは、感情的になったカラスが夕空を威嚇している。
　それに見向きもしない我々、人間。

　たとえばあの、真顔で歩く会社員。
　なんたらウイルス蔓延防止のためマスクをつけているから、本当に真顔かはわからない。もしかしたらニヤついているかも。

　笑っているとしたら、なぜだろう。
　スーツの下に爆弾腹巻きを着込んで、社会への復讐でも企んでいるのか。
　勝手にやってくれ。巻き添えはごめんだ。

「あ、すいません……」

　女の人がすれ違いざまにぶつかってきた。
　スマホでも見ていたのだろうが、もしかしたら僕の鞄から財布を……大丈夫だ。