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 僕は十七歳、高校二年生だ。  美術部として風景画を描き、学生として勉学に励んでいる。  お世辞にも頭のいい高校とはいえないが、僕は昔からの読書癖に助けられて、学内ではトップの成績を誇っていた。  学校に趣味の合う人はいない。  そもそも僕にはこれといった趣味もなく、また趣味の話をするような友達もいない。  美術部に入ったのも、絵を描くことが趣味だとか、生きがいだとかいうことは一切なくて、ただただ僕の気まぐれだった。
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