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 部室は巨人の赤ちゃんに弄ばれるみたく縦横無尽に揺れる。僕は窓から離れ、部屋の中央でなんとか揺れに耐えようと、半ば四足歩行の動物に近い体勢を取った。  早くおさまってくれと祈願するように首をもたげると、窓の外はやけに暗くなっていた。  恐る恐る窓際に擦り寄ると……  日光を遮るほどの、大きな山。  僕がスケッチしていた山が、今まさに人間の巣を踏み潰そうとしていた。
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