2.瞳とサッカー部

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2.瞳とサッカー部

 瞳は球技場から一人で、歩いて帰っていた。  後から後から涙が溢れた。  自分でもどうしてか良く分からないでいた。  空は真っ青で雲一つない、やけに眩しく感じられた。  瞳と寛太の通う高校は、県内では、中の下くらいの偏差値の県立高校だったが、テニス部だけは、優秀な成績をおさめていた。  なぜなら、テニス部の顧問は強豪校を指導した事もある、有名な先生だったからだ。  瞳は中学校からテニスを始めて優秀な成績を上げていた事もあり、家から近いこの高校に入った。  そしてやはり瞳はグングンテニスの腕を上げた。  努力もした。  幼少期から負けず嫌いでもあった。  運動だけでなく勉強も頑張った。  それが普通だと思って二年間やってきた。
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