2.瞳とサッカー部

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「先輩、そりゃないっすよ、逆でしょ、逆」  後輩の一人が言った。 「ようやく11人になったって喜んじゃって…」  別の後輩が言った。  創立以来パッとしないこの学校の弱小サッカー部は、サッカー部とはいえ人気が無かった。 「シーシーシー、それを言うな、格好悪い、テニス部なんか120人くらい部員がいるんだぞ」  長嶺友也こと友也が、汗が滴るボサボサ頭を振り向けてそう言った。  普段はボサボサ髪は、ツンツン立てているが、すっかり不規則にあっちこっち向いていた。
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