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1.マジですか!?
ダダダダ!
寛太が走る走る、ピッチの端を一気に駆け抜ける。
ポーン!
いいところにボールが落ちてくる。
「よっしゃぁ」
心の中でそう叫んだ寛太は右足でサッカーボールを蹴った。
「いっけー、ゴールに突き刺され! 」
バシュッ!
矢のように突き刺さるシュートを蹴った! …つもりだが、ポーン、ボールはゆっくり弧を描き、相手キーパーは難なく受け止めた。
すかさずキーパーはボールを蹴った。
形勢逆転である。
相手チームは巧みなパス回しで、ゴールへと牙を剥いた。
「やっべ」
寛太はバランスを崩しながら振り向き、走り出す。
その時だった。
グキッ!
左足首が変な方向に捻れて激痛が襲ってきた。
「いってー」
大声と共に芝生に倒れ込む寛太。
激痛に耐えて顔をあげたその瞬間、寛太にははっきりと見えた。
相手チームのキャプテンが蹴ったボールが、右上のゴールネットに突き刺さる瞬間が!
味方のキーパーは一歩も動けなかった。
ボフン。
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