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「15対ゼロで常勝学園の勝ち」
主審がそう言った。
『ありがとうございました』
22人の選手たちはお互いに礼をした。
『おおおおおお!楽勝だ』
常勝学園の観客席を埋め尽くす全校応援団は勝利の雄叫びをあげた。
しかし、寛太たちの高校の観客席には20人ほどの応援団しかおらず、全員が付き合いで来ていたし、ベンチには控えの選手はいなかった。
部員全員参加、つまりきっちり11人で試合をしていたのだ。
ばち…ぱち…ねぎらいの拍手もこんなもんだ。
ベンチの片隅で、マネージャーの瞳だけが、仁王立ちで腕を組んで怒っていた。
そんな常勝学園のキャプテンが寛太を見ていった。
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