11人が本棚に入れています
本棚に追加
と、二人は貸している肩から寛太の腕を落とした。
ガクン!
足が地につき力が入らない。
捻挫した左足首がまたもや曲がる。
支えがなくなり芝生に崩れ落ちる寛太。
「痛いってマジ痛い! 助けて、お願い」
「お願いじゃないだろ、お願いしますだろ」
「なにーーー」
「おい安、置いてこ」
「そうだな、こんな奴知らんし」
「ヤロー、この後に及んで」
どうにも動けない寛太を、冷ややかな目で見つめる二人。
「んぐぐぐ、助けてください、おねがいします」
寛太が小さく言う。
『あんだって? 』
「ほんと、マジ痛い、助けてくださいおねがいします」
『しょうがない、ほらよ』
寛太は再び二人に支えられてベンチに戻っていく。
最初のコメントを投稿しよう!