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ただ、神田首相は本当にすごい人だった。
政治界に登場すると共に、持ち前のリーダーシップを武器にあっという間に様々な改革を成した。
実際に景気も改善した。
国内生産率も、就職率も著しく上がった。
そのおかげで貧しい人が激減し、人々の暮らしは安定。
生活保護の受給者はほぼゼロになった。
そのおかげで大学の授業料無料化が実現。
進学率も上がり、過去に金銭的な理由で進学を諦めた人にも予備校の補助が出て再受験が可能となった。
就職のミスマッチも減り、国民の幸福度も高まった。
そうした事から軽犯罪は大幅に減少。
人々は穏やかに暮らすようになった。
神田首相は「ゴッド」と呼ばれ、情報操作無しでの支持率80%と言う異例の数字をたたき出したところから、何かが狂い始めた。
一部のテレビ番組やオンラインサイトの規制。
一部の音楽も禁制音楽として聴いてはいけなくなった。
現在国内のテレビ番組は3つの放送局のみしかない。
一つは国営のニュースや防災情報などを届ける放送局。
もう一つは子ども向けの教育番組。
最後の一つはドラマやスポーツ、音楽番組などを放送する民間の放送局。
でも内容はすべて統制され、神田首相が素晴らしい人である事を伝える内容でなければ放送が許されなかった。
実際に神田首相の改革のおかげで生活が改善した人が90%以上いる国内で、不満を抱く人は、ほんの一握りだった。
そこへ来て、昨今決まった「懐古禁止法」の取り締りでクーデターを起こそうとしていた人達はまとめて統制され、マインドコントロールを施した後どうなったかは誰も知らない。
その恐怖と手腕によって現在反発する者はおらず、軽犯罪だけでなく凶悪犯罪も激減した。
その大きな要因として一年に一度ある「サイコパステスト」が関係している。
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