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そう、本当の真実はここにあります。
某政治家と私は不倫関係にありました。
分りづらいので彼の事を仮に、A氏と呼ぶ事とします。
初めて会ったのは私の働く高級クラブ。
A氏はどこから見ても「接待のため」「しょうが無く」ソファに座っていました。
そんなA氏の席に着いたのが私でした。
そういう方はしつこくすると嫌な顔をされるので、あくまでドライに接客をし続けました。
それが良かったのか、次に来店された時に指名をしてくださいました。
何度か仕事で来店されてしばらくたった頃。
A氏が一人で来店されたのです。
最初は全く取り付く島もないA氏が、私にだけ心を開いてくれた瞬間でした。
もう、その時、私は恋に落ちてしまったのです。
そこから二人の関係は一気に深いものとなりました。
A氏も
「政略結婚で妻となった女は要らない。君だけを愛している」
と言っていました。
そこから私たちの計画が始まったのです。
私は夜な夜な占い師のふりをして「やる気」「勢いがある」若者を選定しました。
その中で「コントロールしやすそうな若者」を政治塾へ案内。
どんどんと選挙へ出馬させ、勢いのある者に「独裁政治」をさせるように導いたのです。
神田は優秀でした。
私の言った事をそのまま鵜呑みにし、すべて推し進めたのです。
神田が頂点に上り詰めたとき。
私とA氏は計画を実行に移しました。
A氏の妻、殺害計画です。
彼女を殺害する事は実際簡単でした。
温室育ちで疑う事を知らないお嬢様。
A氏の保有する山へ埋めました。
そこで神田に新たに作らせた法律が
「懐古禁止法」です。
これにより、遡って3年前の事を調査する事ができなくなったのです。
つまり、時効も3年。
警察が事件を調査するのも3年。
3年あれば私有地の山に埋めた死体は見つからない。
それにA氏の妻の親族にも、3年位なら連絡が取れなくてもごまかしがききます。
独裁政治は確かに改革も早く、偶然にもうまくいっています。
しかし、永く続く事はありません。
秘密裏にクーデターを起こそうとしている輩がいる事は分っています。
でも、実行までにはまだ数年かかりそうである、という事が調査で分っているところです。
今は「クーデター前海外逃亡計画」を練っているところです。
「キラーワード」は我ながらいいアイディアでした。
皆さん、過去を振り返らずに未来に目を向けると私たちのように幸せになれるんですよ。
ーーー
幸せな事、成功した体験は発信せずにはいられないのが人間だ。
彼女のこっそりと書きためていた秘密のブログにはその計画、すべてが書かれていた。
ーーー今、国際警察が彼女の自宅を取り囲み始めた。
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