大輔二年生

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大輔二年生

 二年生になった大輔は少し幼さは残すものの男の子から大人の男性へと成長する途中で、より男性へと近づいていた。  時折見せる男らしい仕草に少しだけドキリとする。  僕は計画を進める事にした。  僕から大輔にしなだれかかり、セックスに誘ってみた。  大輔は戸惑いながらもこくりと頷いた。  そりゃあそうだ。彼らの目的は最初からセックスなのだから。  そう考えれば一年もの間キスもなしでよく耐えたものだ。  僕のリードで始まる。  唇を重ね。舌を割りいれ、恐らく大輔にとっては初めてのキス。  その事に悦びを感じながらも、どうせお前も()と同じだと身体は熱くなるのに心が冷えていくのを感じた。  大輔は拙いながらも一生懸命僕の事を気持ちよくさせようとしてくれた。  恐る恐る、まるで壊れ物でも扱うように優しく触れた。  久しぶりの事で気持ちいいというよりはくすぐったかった。  僕がくすぐったくて笑うと大輔は拗ねたように口を尖らせたけど、 「もっと触って? 気持ちいいよ……」  僕の一言に嬉しそうに笑って愛撫を続けた。  いつものキラキラの瞳には雄の欲が宿っていた。  硬く閉ざされた後ろを細い指で念入りに解す。  どこから知識を入れて来たのか――。ああ時間はたっぷりあったな。  一年もあれば色々と調べる事はできる。ヤリ目にしても後で面倒にならないようにこのくらいの事はするか。  僕の中で蠢く指。  ――――気持ち悪い。  大輔が、じゃない。  自分の事が堪らなく気持ち悪いと感じていた。  それでも止める事はできなかった。  僕はいちいち声を上げ感じているフリをした。  そして大輔のモノが挿入(はい)ってきて、僕は小さく「痛い……」と啼いた。  成長途中の大輔のモノは大きすぎるという事はないし、久しぶりだったから圧迫感はあったが痛いという程でもない。それにこれでもかってくらい解してくれたから痛いはずはなかった。  それなのになぜか「痛い」という言葉が口をついて出た。  僕の声にヤル事しか頭にないはずの大輔の動きが止まった。  僕の痛みを訴える声を聞き、中折れしてしまったのだ。  ぎょっとして何度も「痛くないよ。大丈夫だから」って言ったけど、大輔のモノは復活する事はなかった。  どうせなら僕が泣こうが喚こうが好きに抱いてくれたらよかったのに――。  それからの僕たちは時々キスはするようになったけど、それ以上はする事はなかった。  大輔が卒業するまであと1年――――。
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