告白

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告白

そろそろ桜も終わる春の夜、島岡と茂木は京王線に揺られていた。サークルの会合の帰りだった。電車は茂木のアパートのある仙川駅で停車した。 「じゃ、また」 と手を振って茂木が降りた。 「うん、また」 と手を振って島岡はその背中を見送った。 ”言うべきか、言わざるべきか・・・” 心が交錯し、鼓動が高鳴った。 電車は調布駅に停車した。本来、そこは島岡が降りるべき駅ではなかっだが、島岡は突如降り、反対ホームへと向かった――仙川駅を目指して。 仙川へ着くと、紙片を取り出し、公衆電話からその番号へ掛けた。 「・・はい、もしもし茂木です・・」 「あっ、もしもし・・俺、島岡です・・ごめん、突然・・」 「えっ?どうしたの、なんかあった?・・」 「ん?うん・・今、仙川駅にいるんだ・・ちょっと来れない・・」 しばらくして、夜桜舞う中、茂木はやって来た。 「どうしたの?びっくりした・・」 「ほんと、ごめん・・ちょっと歩かない・・」 しばらく歩き、下に電車を臨む橋で島岡は足を止めた。 「自分でもびっくりしてる、この状況・・」 「・・・・」 島岡は一息のみ、茂木の目をじっと見つめ、言った。 「茂木さん、あなたの事が好きです。付き合ってください・・」 茂木はふわっと目を見開いた。 「ごめん・・急に・・でも、ホントの事だから・・」 「・・・すごい、勇気あるね・・」 「返事は今すぐでなくてもいいから・・」 「うん・・」 「め、迷惑だった?・・」 茂木は首を横に振って観音のような笑みを浮かべ、手を差し出した。茂木は、そっとその手を握り返した。
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