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『お久しぶりです。覚えていますか?島岡です。申請させて頂きます。よかったらご承認ください』 その日、島岡はそう、キーボードを叩き送信した。FBの”知り合いかも”でその顔を見つけたのは、先日の事。”その顔”とは、大学時代付き合いのあった茂木である。 現在は和栗とその名を変えていたが、こけしのような端正な白い顔立ちは、相も変わらず、当時の面影を残していた。友達申請をし、返信を待った。 茂木とは”不思議な関係”であった。互いに恋人がありながら、映画に行ったり、呑みにいく――異性の友人、といったところだ。 だが、少なくとも島岡は茂木を異性として意識していた。恋人がありながら、島岡はどこかで茂木を追っていたのである。 島岡は改めて、そのプロフィールを見た。 出身地:新潟 居住地:柏崎 とあった。 「田舎へ戻ったのかぁ・・」 島岡は、一人呟くと、両手で頭を抱え、座椅子にもたれ掛かった。 ”あれから何年だ?・・もう30年は経つだろうか・・・” 島岡は遠い過去の日々に思いを馳せた。
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