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「あ〜、家帰るのめんどくせぇ・・・いっそのことここに三人で住むか?」
恵がおかしなことを口にする。
「お〜、いいねそれ。家に帰っても父さんしか居ないしな。つまんねぇもん。ここに居る方がよっぽど楽しいし。」
雄人まで、恵に同調する。
僕は・・・そりゃ、そうできればすごく嬉しかったけど・・・
母さんを置いてはおけない。
それに・・・
「二人とも夢みたいな事言って・・・こんな狭い所に男三人で住めると思うの?」
そうだ、僕の言うことの方がよほど現実的だ。
でも二人は茶化すんだ・・・僕を・・・
「純は夢が無いなぁ。俺ら、まだ子供なんだから、そういうの夢見たっていいじゃないか。なぁ、雄人。」
「そうそう、純は真面目過ぎ。そんなだと、彼女の一人も出来ないぞ。」
そんなこと・・・
君たちの方がよほど・・・・・・
僕はしゅんと項垂れる。
そんな僕を見て二人は笑い出す。
「うそうそ。純は母さんが居るもんな。ほっとけないよな。」
「純は優しいから・・・」
「う・・・ううん、そんなこと・・・・無いけど・・・・・」
小さい声で言う僕を二人で抱き締めてくる。
うわ・・・う、嬉しい・・・・・・雄人の腕の中・・・気持ちい・・・・・
恵の小さい「やったな」って声が聞こえた。
僕の心の中全部分かってるって顔。
僕の頬は熱くなった。
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