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その日の放課後、雄人と恵と帰途につき、今日あったあれこれを話し合った。
雄人がまた告白されただの、恵が俺も〜なんて言って、何にも無いのは僕だけだった。
二人とも本当にモテるんだから・・・
皆も、いい加減諦めたらいいんだ。
雄人も恵も、絶対に誰とも付き合わない。
それを分かってるくせに、言い寄っていくんだから・・・
不毛なことだ。
「じゃあ、後で、僕は海に行ってくる。」
「ああ、後でな。」
「純・・・・・」
僕が言うのに、雄人が口籠る。
何?どうしたの?
「一応海で、気をつけてな。あいつが来るかもしれない。」
あいつって、昨日の原って人のことかな?
雄人は何でそんなことを言うんだろう?
僕、男なのに・・・だから大丈夫なのに・・・
僕が黙っていると、恵が口を出した。
「ああ、あいつ、純の裸見てるからな。気をつけろよ。」
「ああ・・・ん・・・でも大丈夫だよ、ありがとう。」
僕はそう答えて、家に向かって走り出した。
二人が心配そうに見送ってくれた。
海・・・
僕が自由に呼吸が出来る海・・・
僕は思いもせぬことが起こるなんて、その時は思っていなかった。
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