純視点

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僕は石川純。 高校三年生。 人見知りで大人しい僕がいつも見つめているのは、幼馴染みの時城雄人。 同じ高校三年生で、同じクラス。 彼はいつも明るく元気でクラスの人気者。 僕のように地元の海が好きじゃ無いので、色白で肌がとても綺麗。 見た目もいいんだよ。 子供の頃からずっと・・・ そう、ずっとずっと彼のことを見て来た。 そして、知らない内に、彼のことが好きになってた。 同じ男なのに、おかしいと自分でも思う。 でも気付くと、彼を目で追っている。 そんな僕に絡んでくるのが、同じクラスの太田恵。 成績優秀、眉目秀麗で、彼もとても人気がある。 でも二人共、何故か誰とも付き合ったことが無い。 恵は僕が雄人を好きだってことを、知ってる。 僕の良き理解者。 いつか東京進出するのが夢らしい。 僕は、雄人の傍に居られればそれでいい。 雄人と恵と僕で、楽しく過ごせていればそれでいい。 でも、本当にそれでいいの? それだけで、いいの? 僕の気持ちを伝えなくてもいいの? でもだって・・・ 伝えたらきっと雄人は困ると思う。 今のこの関係性を保って居るのが一番いい。 気持ちを伝えてはいけない。 僕は心に鍵を閉めた。 この気持ちが溢れ出ないように・・・ 高校三年の夏に差し掛かろうとしていた。
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