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僕達3人は、英語部に所属していた。
そう、所属していた、だけ。
ろくな活動はしていない。
放課後は自由に過ごしたいもの。
でも、英文タイプライターの打ち方くらいは教わった。
なので、パソコンのブラインドタッチには自信があった。
「純、今日も海で泳ぐのか?」
雄人が、僕に向かってとびきりの笑みを寄越す。
僕は一瞬見蕩れて・・・
「あ、ああ、うん。だって、こんな綺麗な海、泳がないのが勿体ないよ。雄人も一緒にどう?あ、恵も良かったら。」
「俺は塾に行かなきゃならん。雄人、付き合ってやれ。」
「あー、俺、海は無理、知ってるだろ。泳げないの!!ちょっと疲れたから、俺は家で寝る。夕飯後、また3人で集まるか。」
「うん!あの隠れ家集合にしよう!!」
僕らは、一軒の古い空き家を秘密基地にしてよく入り浸っていた。
そこには、僕らの知らないキラキラ輝くものや、昆虫の標本、地球儀などが置いてあった。
誰の空き家なんだろう・・・
僕らはそこで飽きる事無く遊んだ。
「じゃあ、夕飯後な!!」
「後で!!」
「ああ!!」
そう言って別れる。
別れてもまた夜に雄人に会える。
僕は夕飯後がとても楽しみだった。
でも、その前に、海だ。
僕はこの綺麗な海が大好きだった。
ここで泳ぐのが・・・
遠浅で澄んだ青色をしたこの海・・・
一人で何時間も、珊瑚の間を泳ぐ魚たちと一緒に泳いだ。
まるで人魚にでもなったかのように・・・
なので、僕の肌は浅黒く、髪の毛は茶色に焼けていた。
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