純視点

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「やだよ・・・やだ・・・こんな感情は・・・・・」 僕は、海に続く細い道を走りながら、涙を振り払った。 本当は・・・ 本当はあんなこと止めて欲しい。 僕の為に男と・・・あんなこと・・・ でも・・・ 僕には止める力も資格も無い。 だから、僕は毎日海で泳ぐ。 泳いでいる間は、僕は息をすることが出来た。 おかしいよね。 海に入っている間は呼吸を止めているはずなのに。 海で泳いでいる時間の方が、僕は楽に息が出来た。 何の苦労も知らない雄人・・・ 色白で綺麗な肌で・・・ 僕の褐色の肌とは違う・・・ まるでお人形さんのようだった。 そして、くるくる変わる表情が、僕を魅了した。 母を見ていたから・・・ 男と女の関係がいやだったのかもしれない。 僕は、雄人に恋をした。 でもこれは、悟られてはならない感情。 男同士なんて・・・ 僕だって母のことを悪く言えない。 こんな・・・ こんな気持ち・・・気持ち悪いと思われる・・・・・ でも僕は母を見ていたから、女の人を信じることが出来なかった。 男の人だって・・・母を買うのだから、信頼出来るものじゃ無かったけれど・・・ そんな、どっちつかずな僕の日常に、どちらとも言えぬ存在の幼馴染み、雄人が棲み着いた。 僕は彼の笑顔がとても好きになった。
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