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海岸に着いた。
静かな波が立っている。
ここは遠浅で水も綺麗な海岸なんだ。
僕は、制服のシャツとズボンを脱いで、パンツ一丁になって泳いだ。
水着を持ってくるのを忘れた・・・
母が突然あんなことを言い出すからだ・・・
もう・・・
もう慣れたっていうのに・・・
急におぼつかなくなってしまった、僕の感情。
海に身を投げて、上を向いて波の上に浮かんだ。
体の力を抜いて、空を見上げる。
ああ・・・
もう夕方の空だ・・・
遠くの雲が朱色に光っていた。
あまり泳いでも居られない。
夕飯の後、あの隠れ家に雄人と恵と集まる予定だ。
ほとんど毎日、僕らはあの隠れ家に居た。
こんな田舎だから、危険なものは無い。
僕の親は当たり前だけど、雄人の父親、雄人もシングルファーザーなんだ・・・、そして恵の両親も、安心して僕らを見守ってくれている。
僕は海を上がった。
ああ・・・
パンツがびしょ濡れだ。
脱いで泳いだ方が良かったか。
この時間、ここに来るのは僕くらいだから・・・
僕は下着を脱いだ。
そして、その上から制服を着込んだ。
さぁ、夕飯の準備と隠れ家へGOだ!!
僕の癒やしの時間が始まろうとしていた。
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