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星降る夜。
うん100年に1度とかうんたらかんたら。
よく分からないけど凄くいっぱい流れ星が降るらしい。
テレビはそのことばっかりで嫌気がさした。
だからラジオを聞いていたのにラジオもそのことばっかりで。声だけの仕事なのに見ていることを言ってどうする。
携帯の通知もそれしか来ない。
Tuitterの通知も、LIMEもdascardも。煩わしくて電源を落とした。
だって私が今みることが出来るものは、ただの灰色の地下室の天井だけだからである。
なんで地下室なんだって?
それは、母親が私のことを嫌いだから。
いつも学校から帰ってきたら地下室に閉じ込められている。
私を地下室に監禁した母親も。
それを黙認している義理の父親と弟も。
そんな人達でさえうん100年に1度の流れ星を見に行ったらしい。
そんな薄情な人達でも、学校にだけは行かせて貰えた。お金だって出してくれた。ご飯だって与えられた。表面だけは何も問題が無いように、殴ることも蹴ることも。私の体に傷がつくこと、私が痩せることを1番嫌った。ただ、私のことも嫌っていた。だから私と顔が合うことのないように、外から鍵のかかる、中から解除することの出来ない地下室に閉じ込められていた。テレビもあった。スマートフォンだって与えられたし。
学校では、曲がりなりにも彼氏が居たし、友人も居た。そんな彼氏には1度、この家庭環境を相談した覚えがある。あのお母さんがそんなことするわけないじゃん、と信じては貰えなかったが。
彼氏からの私に対する愛情はしっかり感じて居た。そのため私もそれに返していたのだ。
ただ、虚しかった。表面だけで言葉にするだけで、ふれあうだけで、それだけで好きだと思い込める。
愛していると、思い込むことが出来る。
そんな甘く浅い関係に酔いしれ、依存していた。
どうすれば、虚しい思いが消えるのか。
どうすれば、私は幸せになれるのか。
どうすれば、私は人生に満足出来るのだろうか。
流れ星が流れ切る前に3回願いを唱えれば、唱えた願いを叶えてくれるということをよく耳にするが。
そんな迷信に藁にもすがる思いで願った。
見えない中、灰色の天井に必死に願った。
どうか、どうかどうか。
私の存在を。ネット上の私も。家での私も。学校の私も。
ケシテクダサイ。
ーーー分かったよーーー
…は?
そして私の意識は消えていくのだった。
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