ノスタルジックラヴ

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高校を卒業してから、もう40年経つ。 クラスの同窓会ならわかるが、ブラバンとコーラス部のっていうのはなぜなのかよくわからなかった。定期的に会っているわけでもないのに。 いや、私が知らないだけかもしれない。 上京してからというもの、こっちの友達とは疎遠になっていた。 ここ最近やっと、昔の親友と時々ランチやお茶をするようになったぐらいなのだ。 私は詳細を聞くためにショートメールから先輩の番号をクリックした。 プルルル……プルルル……何度目かのコールの後、留守電のメッセージが流れた。 私は名前だけメッセージに残した。 夜8時頃、先輩からの着信があった。 私は急いで、スマホを耳に当てた。 「もしもし」 「もしもし、さっちゃん?」 先輩の懐かしい声が耳に響いた。相変わらず地声が大きい。 「先輩、お元気でした?」 先輩が卒業後、地元の短大に進学したことは知っているが、それ以降のことは知らなかった。 「ごめんね、電話取れなくて。もう来年定年だっていうのに遅くまでこき使われてるのよ」 「え、先輩は仕事何してるんですか?」 「短大出てから、ずっと保育士やってるよ。あ、そっか。さっちゃんとは卒業以来会ってなかったもんね。声が変わってないから、そんな気がしなくて知ってるもんだと思って話進めてたわ」 「声は変わってませんけど、顔とか体型見たら驚きますよ」 「じゃあ、ビデオ通話にする?まあ、1ヶ月後に会えるか……。当然出席よね?」
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