ノスタルジックラヴ

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まだ、詳しいことを聞いてもいないのに出席と決めつける先輩は高校時代から変わっていない。 「先輩、私まだ出席するって言ってないですし、それに内容も聞いてないですよ」 「ああ、ごめん、ごめん。 実はね、ブラバンとコーラスの顧問してた町田(まちだ)美幸(みゆき)先生覚えてるよね?その美幸先生の一周忌なの」 「えっ?!」 私は美幸先生が亡くなったことさえ知らなかったのだ。いつも美声を響かせ、ブラバンの指導は厳しく指揮棒を振る姿は華奢な先生が大きく見えたものだ。 私には 「さっちゃん、自分に自信持ちなよ。あなたは自分で思ってるよりもずっと素敵な人よ」 と口癖のように励ましの言葉をかけてくれていた。 その先生が…… 「さっちゃん、聞いてる? ごめん、知らなかったんだよね。ショックだよね? でね、みんなが集まる日は一周忌法要の翌日で美幸先生の娘さんが先生の遺影を持って来てくれるの。その前でブラバンOBが演奏するってわけ。私たちコーラス部は見てるだけなんだけどね。 あ、OBって、あの頃のメンバーね」 「あの頃って?」 「さっちゃんが高一の時よ。もちろん、言い出しっぺは永瀬(ながせ)恵一(けいいち)。当時の生徒会長。さっちゃんのよく知ってる人でしょ?」 永瀬さん……
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